前回は、全日本の出場者は誕生月が7月~12月が全体の3分の2を占めているというお話をしました。
まだ読んでない方は→ こちらから
前回の補足として・・・・
競技力の高さの一つは、生まれ月に左右されるということですが、これは「相対年齢効果」といって、
1学年全体を見たときに、4月生まれと早生まれの3月では1年という成長差がどうしても生まれてしまうというもの。
ほとんどの部活は4月始まりの日本ですが、フィギュアスケートの場合は登録初月が7月であることや
野辺山の参加対象者の分け方も要綱を見ると、7月1日~翌年6月末までとなっているので、スケーターにとっての同級生はこの【フィギュアスケート年度】となり、おのずとこの中で影響を受けてきます。
7月生まれの選手と翌年6月生まれの選手では、ノービス世代はとっても差があります。
残念ながら相対年齢というのは、この年度での育成をしている限りでは起きてしまう問題の一つであります。
前回のブログの最後にも述べましたが、年度末に近い誕生日月の選手は“将来活躍できない”ということを示唆しているわけではありません
全日本を前回あげてみましたが、それ以下のクラスをみてみましょう。
資料が手元にある関係で2016年の中部ブロックの女子シニア22名の選手の誕生月出場者比率は
こんな感じで全日本とほぼ同じ状態になります。
その下のジュニアをみてみると
どちらかというと、相対年齢効果は働いておらず12か月まんべんなくいるという感じなのです。
実はこれとほぼ同じ形をとるのが、東日本男子のシニアです。
では東日本のシニアの女子はどうかというと
こんな感じです。
手元に西日本の資料がないので、比較検討は少しできない部分がありますが、
中部でみるとほぼ、クラスが上にいくほど相対年齢の差のなかで強い者が生き残っていく率が高いということです。
その境目がジュニア時代に選抜がかけられていくというかんじなのです。
全日本の縮図と中部は似ているわけです。
一方、東日本をみていると相対年齢の差が発生しづらい環境があるのがわかります。
理由はいくつかあると思います。
環境要因としては、リンク数、練習時のリンク内の人口密度、練習時間数、クラブチームの指導体制で、相対年齢での生き残り競争がかからないということが推測できます。
いいかえれば、相対年齢に関係なく、同学年が同じように育ちやすい環境がある。
ということではないのでしょうか?
環境がゆえの育て方の違いか、育ち方の違いがあるのを垣間見る形になると思います。
また、大きなくくりで今回はみましたが、これはさらにクラブチームによっても違うと思います。
こういう事例をしっかりひろっていくことが今後の選手育成には必要なのではないでしょうか?
さて、今後、どちらの傾向が世界で活躍できる選手を育てられるのか・・・・・このあたりは私自身が考えることでもないので、ぜひ連盟に期待したいところです。
一つはこのあたりを加味すれば早生まれの方にも十分チャンスはあるのです。
もちろん考慮するのはこれだけではありませんが、他のことを組み合わせれば十分花は咲かせられますよ。
その話はまた後日ということで。
沢山のクラブチームをみているとこういうのからさらに推測できることがいっぱい浮かんできます。
来院してくださった選手たちに感謝です。
相対年齢に対する課題については、先日受講したジュニアアスリートトレーニング概論内で小俣さんがお話くださった内容をもとにフィギュアスケートでの解析を私がしてみました。
指導者や親御さんでこのあたりを詳しくお知りになりたい方はセミナーを受講をされるか、有料サイトになりますがavexのathlete clubで講義の一部を聞くことも可能ですよ。参考にしてみてください。
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【診療】
練習中のけが(ひねった、ぶつけた、こけた等による痛みなど)
氷が押せない、姿勢が良くないなどの長期にわたる痛み、原因のわからない痛みや違和感
【トレーニング】
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ベーシックトレーニングにさらにバランスシューズトレーニングや筋力をアップさせたい、俊敏な動きを獲得したい、フリーを滑り切る体力をつけたいなど。
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