先日ツイッターで「扁平足」のお話がでていたので、
それに関連して足の誤解話として、「5本指靴下」をつぶやいてみた。
フィギュアスケーター向けに呟いていたのですが、意外にも野球関連の人達が興味をもってくれた。
どの競技であっても共通の身体のお話なので、ここにまとめておこうと思います。
ずばり【5本指靴下はいいの?】
診察にきたとき、スケーターでも5本指を愛用している選手がいます。
まず、履いている理由を聞いてみると多くは
なんとなくいい気がする
動ける気がする
というもの。スケーターのお悩みやけがで多いのが足に関するものなので、少しでもよさそうだと感じたら使ってみたくなるのは理解できます。
でも、「なんとなくいい気がする」とか「動ける気がする」という理由は5本指靴下を履く理由にはなりません。
同様に女子選手は、ストッキングを履いたりと「薄手」を求めますが、これも同じ。
靴下は、スポーツメーカーや医療メーカー、衣料メーカーの努力もあり、薄手でなくても履くことにより機能があがるものが多くあります。
5本指靴下を履くか履かないかは、自分の目的にそれが手段としてあっているのかどうかなのです。
少し解剖学的なお話になります。
物質の形態の安定位ってどんな形か知っていますか?
一番の安定位は「球」なんです。
一番わかりやすいのが「上腕二頭筋」と呼ばれる、腕の力こぶの筋肉です。
これは、縮まるとかなり球状に近くなります。
まひの患者さんはどんどん関節が硬くなるのですが、それは、肘が曲がったり、膝が曲がったりした状態で伸びなくなります。
屈筋群が安定位である球に近づくので関節は曲がっていくのです。
この状態で力をいれれば筋肉がカチカチの状態になりますが、
通常は、この球の形はもっともエネルギーがいらない楽な形なのです。
あしの指にも筋肉があります。
もちろん上腕二頭筋のような大きな筋肉ではありませんが、縮まっている時が安定位です。
さてもうカンの良い方は気が付くと思います。
5本指靴下は「指が伸びる」状態で履きます。
これって安定位からは遠くなりますし、エネルギー的にも常に伸ばされるので疲れてしまいます。
縮もうとしているものを伸ばすのですからエネルギーロスも起きます。
そして、ゴムと一緒で常に伸ばされ続けてきたものは伸びちゃうともとに戻らないというものでもあります。
でも、この靴下が合う選手だってもちろんいます。
合うか合わないかは自分の身体に聞いてみるのが一番です。
簡単なチェック方法は「可動域チェック」です。
例えばスケーターであれば、履く前に腕を上げてバンザイの姿勢をとるとか、身体を後ろにそらせるといった単純な動き。
バスケの選手もフリースローを考えれば、腕は上がった方がいいですよね?
種目によってチェックする関節は違っていいと思います。
履く前と履いた後、もし可動域が狭まってしまったとしたら??
本来動ける動きを5本指靴下を履くことによって阻害してしまっているということになりませんか?
一方、履くことによって可動域が広がるのなら、その可動域をもってしてトレーニングをすれば
その動ける可動域に対するトレーニングが身につきますよね?
逆だってあります。
関節が緩すぎてハイパーな動きをしている人が、動きを止めることもできるかもしれません。
・・・・・が、こちらの使い方でやることはうちではないですけど。
履くことによって求める結果に近づかないなら履かない方がいいのです。
ちなみにうちに来ている選手でも厚い機能性の靴下をはかせることがあります。
それがその選手にとってプラスだからです。
その場合に使うのは、リアラインシリーズの靴下が圧倒的に多いです。
足首から下のエネルギーロスというのはかなりのケースで股関節やお尻周りが使えない要因にもなっているので
見逃すと演技中の無駄がでてしまうので、やっぱり考えないといけないところですよ。
足首から下のチェックはラボで細かくやっていますので気になる選手は一度受診を。
【診療】
練習中のけが(ひねった、ぶつけた、こけた等による痛みなど)
氷が押せない、姿勢が良くないなどの長期にわたる痛み、原因のわからない痛みや違和感
【トレーニング】
けがをしないベーシックトレーニングや、さらにバランスシューズトレーニングや筋力をアップさせたい、俊敏な動きを獲得したい、フリーを滑り切る体力をつけたいなど。
姿勢調整、トリートメント、トレーニング全てを短時間(1時間)で完結したい。大会中のコンディショニングを行いたい (裏メニュー)
柔軟性を獲得したい