バレエをやっている人には「ターンアウト」と言う言葉は結構なじみのある言葉になっています
これは180度つま先を外に向けるとき、股関節からまわしていくことを指していて、
これができない人が陥るのが「ひざ下ターンアウト」というものです。
股関節からのターンアウトと対極にあるのがこれですね。
フィギュアスケートの世界では似たような現象として「膝下イーグル」というのがあります。
あります。と言ってみてもそう呼んでいるのは私だけかも?
葵に来院するスケーターで体をみると「この子はイーグルが苦手だなぁ」というのはすぐにわかります。
でも、プログラムのなかに入れている選手は多いので、なんとかかんとかこなしているという状況。
この「なんとかかんとか」の方法の一つが「膝下イーグル」
通常、バレエで言うところの2番ポジション、足を開いてつま先が180度外に開いている状態というのは、
股関節が外側に回る“外旋(がいせん)”という動きがあって、そこに膝からしたの骨が少し外への動きを助けてさらにさらに足首で少し足して完成されるものです。
でも、股関節の動きがなんらかの理由で行ってほしい角度までいかないとか、キープできないと
それ以外の関節の負担が大きくなっていきます。
それが膝下イーグルの正体。
フィギュアスケートの技の説明の時に多くのかたが静止画を使って“綺麗”とか“汚い”とかってお話をされますが、じつは、イーグルへの入り方一つでも綺麗なイーグルになりやすいとかなりづらいというものがあります。
なので、静止画の一部だけとって技を説明するのは本当は難しいもの。
どのような順番でそのイーグルのポジションになったかはおいておいても、
静止画でも膝下イーグルというのは簡単に見つけられます。
膝のお皿の位置とつま先の方向がポイントです。
お皿は比較的前にむいているのに、つま先は外側を向いているというものです。
通常こうなると、上半身をおこしてくるのは難しくなります。
それは解剖学的なつながりから難しくなるという意味です。
なので、膝下イーグルなら上半身が前かがみになっても本来はおかしくない。
でも、これは綺麗じゃないんだよね。
綺麗じゃないのは、解剖学的に正しい動きをされていない結果なのです。
バレエにしてもフィギュアスケートにしても【芸術性】を重視し、フィギュアスケートであればそれが“採点”というものに結びつく競技性をも持ってきます。
今のところ、解剖学的に無理のある姿勢であっても要件があれば技は成立するのですが、
成立せずに破たんしていくのはスケーターの身体の方。
膝下イーグルをみせる選手のほとんどは、【下腿外旋症候群(かたいがいせんしょうこうぐん)】というのをともなっています。
これについては他のサイトでも紹介があがっているので検索してもらうといいと思います。
これが怖いのはいずれ膝に痛みを生む危険性があるということ。
障害やけがもそうですが、この使い方をしている選手の多くは内腿の筋肉や、太ももの裏の内側の筋肉が弱かったりします。
これは、結果としてジャンプができないというものにもつながっていきます。
私自身も股関節の臼蓋不全がある上に、左の太もも裏の肉離れをやっています。
これをしっかりケアしてきていないので、スプリットスクワットというのがとても苦手です。
足を前後に開いた状態でしゃがんでいくとある一線をこえると体重をコントロールできないので
膝崩れをおこす怖さがありますし、下まで落ちると左はあがってくることができません。
スケーターなら、この姿勢はジャンプにもスピンにもつながりますから、苦手意識を持っていくと思います。
いつも言うのですが、【わかっていてもできない】には自分自身ではどうにもならないこともあります。
それを無理やりやった結果けがにつながるというケースをうちではたくさんみているのです。
できない理由が自分のからだにあるのか?それとも理解力やコーチの伝える力が乏しいのか。
後者は私では救えませんが、前者は確実に救えます。
自分のスケーティングを動画でも写真でもみてお皿とつま先の位置がどうも変だなぁという選手。
おまちしております。
【診療】
練習中のけが(ひねった、ぶつけた、こけた等による痛みなど)
氷が押せない、姿勢が良くないなどの長期にわたる痛み、原因のわからない痛みや違和感
【トレーニング】
現在どこにも痛みがない。治療が終了している。怪我をしない身体作りをしたい → ベーシックトレーニング
ベーシックトレーニングにさらにバランスシューズトレーニングや筋力をアップさせたい、俊敏な動きを獲得したい、フリーを滑り切る体力をつけたいなど。
姿勢調整、トリートメント、トレーニング全てを短時間(1時間)で完結したい。大会中のコンディショニングを行いたい (裏メニュー)
柔軟性を獲得したい