親御さんからの相談でときどきあるのが
「側彎症」
学校検診で指摘されるケースや習い事の先生に指摘されるケースなどいろいろ。
側彎症は、意外に本人も家族も知らないまんま、
診療でも実はよく見かけるもの。
でも、特別、患者さんに
「この子側彎症ですよ!」
とかって言わないことも多い。
なぜなら、私の中では側彎症は
「成長期における歩かなさすぎの病気」
でしかないからです。
側彎症にも大きくわけて2種類ありますが、私が言っているのは成長期における
「構築性側彎」
さっき言った「成長期における」お話としてまずは、私自身が親御さんにお話することをちょっと紹介します。
注目するべきは、背骨。
赤ちゃんのときは背骨全体で一個のCカーブのみ。
図は子育てサイトe-育児より
成長とともにカーブは増えていくもの。
大人になると、首の部分は前にカーブ、胸の部分は後ろに、腰の部分は前にと背骨がカーブします。
「カーブします」
って簡単に言ってますが、そう簡単にカーブしてるわけでなく「成長」とともにカーブするのです。
成長が阻害されていれば「カーブ」はしないわけです。
このカーブができあがることと同時に、もう一つ変化が起きるものがあります。
それが
「内蔵の位置の変化」
です。
こどもの体型を比喩するときよく使われるのが「キューピー」
横から見ると・・・・・
おなかぽっこり♥
上からみた写真も欲しかったが見当たらない。
作ってみた。(笑) 頭上からみた図。
それで上がからだの前で、下が後ろ。
鼻の位置と耳の位置で察してください。
キューピーちゃんは、おなかぽっこりで、上からみると縦に長い。
で、大人になると・・・・・
スケート靴履いたリカちゃんです。
あっ、そっちじゃなくて・・・・・おなかぽっこりじゃなくなるんですよね。
頭上からみるとこんな感じになるんですよね。
左側から右側への変化これが成長段階でおきます。
言ってみればこれがちゃんと滞りなく進んでいくことが「生理性がある」ということ。
ここで考えるべきは・・・・・この縦に収まっていたものが、横に収まらなくてはいけないものがあるということ。
縦方向に収まっていたものは?
「内臓」
なんです。
簡単にいうと、幼児のときは、四足動物です。
前からみたら同じでしょ?
内臓も縦長だった容器から横長の容器へと位置の変換が成長とともにおこるはず。
実際心臓の位置関係も、四つ這いから、立位になればそれだけで90度の変換が必要。
さらにはある程度の回転がないと横長の容器に収められませんから、およそ右に50度の変換が必要。
そうなると、
イラストは佐賀大学 心臓血管外科
いわゆる心尖というのは左の胸部にあるような形になってます。
心臓ってちょっと「斜め」になってるということですよね。
内臓の回転がおこるということは、成長段階で、背骨の回転?もあって、
それにともなっていわゆるS字彎曲ができるんです。
側彎症はこの成長段階でおこる・・・・・内臓の変換と背骨の変換が十分におこっていない状態。
4つ足動物から2足動物にそして成人になる段階での成長阻害による病気?障害ですね。
だから、これが達成されるべき年齢である15歳くらいまでにおこるんです。
また、顕著な側彎症までなってなくても、しっかりと腰椎の前彎が出来ていっていない子もいます。
それもまた成長障害です。
側彎症の診断がついてないだけ。
そして、これらは成長阻害による障害、つまり前述したように2足であるかないことが引き金になると考えられますから、
どこかで成長阻害因子をとるようなことをやってやると改善はしていくケースはいくらだってあるのです。
腰椎の前彎が十分出来ていない子に「しっかり歩いてごらん」って指示して歩いてくれると
嬉しいことに身長も一緒に伸びる子はいくらだって見てきています。
もう一度いいますが・・・・
「側彎症は成長阻害による病気」
だということです。
ストレッチや、妙な筋トレやる前に、まずは
2足の動物に変換すべく「歩くこと!!」
そこからではないでしょうか?
なお、最初にもお話しましたが、この話は「構築性側彎症」に関するところ。
葵接骨院で見られるケースのほとんどがこれなんです。
こういう成長段階で本来獲得すべきことをちゃんと獲得できているのか?
何を獲得すべきなのか?を上手にまとめているのが「コアキッズ体操」でもあります。
体操そのものというより、その前に行われる講義の部分でのお話なんです。
指導者の人は講習会を一度うけてみるといいですよ。
そして、こういうお話はなかなか保険診療中にはできないもの。
しっかりと、身体をみさせてもらって、どうするべきかのアドバイスをさせてもらうのがラボの役割です。
お子さん、生徒さんで気になる方がいるようなら、早めに受診をすすめてもらえると嬉しいです。
あおいラボの詳細は・・・