腰椎分離症を考える


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若年層のスポーツ選手をみているので、【腰椎分離症】にはよく遭遇するし、相談も非常に多い。

愛知県は【脊椎整形】の分野ではトップクラスの先生が多く、何かと背骨にまつわる疾患の患者さんが集まってくる環境にあるし、最先端と言われるもの にも触れる機会が多いように思う。病院にいた頃は、くっつく見込みがあるものは確実に6ヶ月の安静と物理療法(電気をかけたりする)のオーダーがドクター からリハ室には流れてきていた。

でも、くっつく見込みがないものはどうその分離と付き合うかというリハにかわる。

私からしたら、どちらも同じように思える。

くっつく見込みがあって6ヶ月休んでも結局、分離をおこした原因が取り除かれない限りはまたおれるわけだから。

決してくっつかないからスポーツをやってもいいという意味ではなく、お医者さんの中にもくっつく見込みがないから別にやってもいいという方と、いや、将来が心配でしょという方がいらっしゃる。

どちらが正しいではなく、おそらく正解は【くっつく条件さえあればくっつくけど、その条件を見つけ出せないならくっつかない。】ではないか?と思う。

いろいろ伝えたいことはあるけど、少し整理していこう。

まずは、どうして【分離】なのかということ。

分離する腰椎ってのはもともとはこんな形になっている。一番左は前から、真ん中は横から、一番右が後ろからみた図。

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そして腰椎一個だけをとりだしてみて上からみてみると。こんな感じ。

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そして分離すると・・・・・・・

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こんな感じで2つに分離するのです。

では、現象として腰椎分離症がどんなものかがわかったとおもいますので、

どうしてこうなったのか?というところを掘り下げていきましょう。

腰骨一個をまんなかで切ってyoutui2みるとこんなかんじ。上から下に白いストローみたいなのがあるのがわかると思うのですが、それが脊髄といわれるもので、背骨の役割は究極、この脊髄を守るためのものになっている。これを守るためならなんだってやるんです。

たとえば、圧迫力に対しては背骨を潰すことで受けたり(圧迫骨折)、動くと危ないとなると固めてみたり(硬化症)するわけです。ヘルニアも分離も結局は守ろうとして破綻してるんです。

このたてにぱっくり切った図で脊髄を境に【前方構造】と【後方構造】にわけて考えると、前方では荷重や衝撃緩衝の役割をもって連結している。

一方【後方構造】は運動の指向性とか前方よりは少ない荷重要素に対応した機構を持っている。つまり後ろの構造は、動くことに非常に対応していることになる。

分離は運動の指向性の中で壊れたと思ってもらっていいと思う。

背骨は荷重がしっかりかかった上で運動がされるとよりスムーズに動ける。

特にそれは前後の動きの時にスムーズに動けるようになっていて、ほかの動きはあくまで許容でしかないのではないかと思う。

つまり簡単にいうと、左右均等な動きをともなった前後の動きには強いということ。

ちょっと専門的な話をさけるために強引に話を進めている感じはあるけど・・・・・・・

結論は・・・・・

ねじれた動きがあるまま前後の動きをやるから、背骨の構造上、それを本来は役割としているところに引っ張られる力が加わって破綻が起きるということ。もしくはねじれの動きに対するキャパが少ないのに前後の動きをやるから・・・・とも言える。

文字にすると難thしいけど、写真でみると一目瞭然。左は左右均等でそってみたかんじ。右は身体をねじった状態で後ろにそっている。

左は腰椎のカーブはなめらかに体重を受けているのがわかるけど、右のは腰椎の3-4番あたりでくの字に折れ曲がってますよね?

背骨の後ろ側は硬い骨が多いから一瞬わからないけど、背骨の動きのリーダーは後ろ半分ですから、後ろのどこかに運動をするたびに靭帯や筋肉から力が加わるのです。

それが最終的には腰椎分離につながる。(ちょっと飛びすぎ?)

まとめ・・・・・・・分離に対してのリハでやる、腹筋背筋にはねじれが入ったままでは絶対だめってことと、腰だけでなくその上の胸郭といわれるところまでスムーズさを同時に作って行くほうが効果的だということ。

おそらく、くっついていないのはこの条件がそろってないということ。

それがわかるといろいろアプローチがみえてくる。

葵ではフィギュアスケート選手が多く、彼女たちはスピンやスパイラルで片足をあげて背中を反らせる動作が多い。

同じことをやっていても分離にならない選手となる選手がいる。

今まで述べてきたことがわかれば、どうしてなったのか、それとどう対応するべきかはわかってくると思う。

そんなことを葵接骨院では提供しているのです。

分離症に関しては、保険適応がないので・・・・・・あおいラボでの診察となります。WEBからの予約も可能です。

ラボ2

余談ですが・・・・おもしろいことに腰椎の分離症を調べていたら整形外科の先生が“運がよければくっつくし、運が悪ければくっつかない”と書かれていた。“運がよければ”って・・・・・それはないなぁ(笑)

それから、フィギュアスケーターの分離症を説明しているストレッチ専門店などがあったが、“イナバウアーのように反る動作でこの症状はおきやすい”と書いてあったが・・・・・フィギュアスケートを知らないんだなぁと。フィギュアスケーターならすぐにこの間違いはわかるはず。