知ってもらうための努力


院でバレエの方をたくさん診るようになり

いろいろ不思議を経験しています。

バレエの方にはほとんど・・・いや100%でチケットノルマがあります。

このチケットを売る際に二つの方法が見られます。

 

・買ってくれる確率の高いバレエ関係や身内に売る

・SNSで「公演あります」と呼びかけてみる

 

これをずーっと続けているのがバレエ界だなぁと正直思いますし、

これではバレエを知ってほしい、見てほしいなぁって思う人には届かない。

バレエに興味を持ってもらいたいと思っていても無理だろうなぁって正直思います。

 

日本の伝統芸能である歌舞伎だと値段のハードルも下がる「一幕見」や、初めてで安心な専門家の「イヤホンガイド」、幕間の楽しみに「楽しみな食べ物」があったり・・・・

 

行けるかも?行ってみたいかも?が起きる仕組みがある。

 

では、バレエだったら??

 

この時期に多い演目は「くるみ割り人形」だと思いますが・・・・

 

「今度くるみ割りやるから来て」

「クララ演じることになったから来て」

 

と言われて、バレエに馴染みのない人だと

「何それ?」

ってなるはずです。

 

外国の人に

「今度かぐや姫やるの」

と言っても「ほんと!行くわ!」とはならないですよね。

 

芸術ってその後ろに育ってきた文化背景があるんです。

英語がしゃべれてアメリカ留学したとしても、その時やその少し前にはやった

事柄にかんしてのジョークはきっとわかりません。

アメリカンジョークを日本語にしても面白くないんです。

 

そういった、文化背景の違いを含めて知らない人にアプローチしていかないと・・・

 

さほど難しいことを要求しているわけでなく、

私がSNSでみかけた「これいいなぁ」な取り組みは

写真と、簡単なストーリーと見どころが

キレイにまとめられていました。

佐々木三夏バレエアカデミーの投稿でした。

「あっ、菅井円加さんの・・・」って思った方はバレエ界の中の人かその淵くらいにいる人。

 

申し訳ないが、私はバレエには詳しくないので、

菅井円加さんをあまり知りませんし、彼女のご出身のスタジオだということも

知りませんでした。

でもその私に響いたのがこの投稿です。

 

日本のバレエ人口は大人を含めて40万人ですが、日本の総人口から見たら0.3%です。

つまり、私のようなバレエを知らない、やらない日本人の方が大多数なんです。

1%以下の人にアプローチするチケットの販売は、

もし、バレエを広げたいとおもっているのであるのであれば、マーケティング的には今のバレエ界のやり方では上手くいきません。

 

バレエに興味がある人は総人口の1%以下。

でも、ファッションに興味がある人は、少なくともこの1%以上でしょうし、

美味しいものが好きな人はもっと多いのではないでしょうか?

 

その人たちに届くような魅力の伝え方をしていかないと

バレエのチケットはいつまでたっても「買ってもらえそうな人」に売ることになります。

 

バレエを一般の方にも広げるようなアップデート「したい」なら、

1%以下のマーケットに訴えても無駄。

でもバレエをバレエの分かる人だけで楽しみたいのであれば、ここは不要です。

 

残念ながら、私自身はバレエの舞台自体にはあまり興味はわきません。

基本的に「からだ」や「治療」に興味があるので、バレエの方をたくさん診るという機会に結びついて、どういう動きをするのか、どういう使い方で怪我するのかを勉強しています。

つまり治療家にバレエをみてもらうには、このあたりをアプローチすれば足を運んでくれるということです。

 

私がメインでみているフィギュアスケートは、関係者である私でさえ今はチケットがとれない状況になっています。

 

フィギュアスケート選手は日本に4500人くらいしか登録がありません。

一人のスター選手がその業界を照らすこともありますが、その先の業界の努力もやはりあるのです。

 

知ってもらうための努力。

 

少し提案ができればと考えています。