フィギュアでできないもの バレエでできないもの


(トップ写真はこてつんさんによる写真ACからの写真)

先日ツイッターで

「フィギュアでできないものはバレエでできない」

と発言したら

「逆なのでは?」

とコメントが来ました。

バレエは陸上ですから、陸でできないなら氷上では無理だろうと思うのも仕方ない。

 

フィギュアであろうと、バレエであろうと、指導者が悩むポイントというのはほぼ同じ。

「テクニック的なものができない」には理由があります。

 

体をおもうように動かす能力がそもそも足りない。

 

ということです。なのでバレエテクニックを習えばフィギュアでできると思っているのも間違いですし、フィギュアでは加速、遠心力などが働いて有利になることもありますが、これでもできないものは陸でもバレエでも正直いってできません。

 

共通としてあるのが「からだを自分が思うように動かせられるか」なのです。

 

バレエをやっていた選手がフィギュアでは有利になるように思われがちですが、

バレエにおいてバレエができている・・・という状態はそもそも難しいんです。

バレエの先生から紹介されてくる生徒さんは、

「反り腰になっている」

「ルルべを通らずオンポアントになる」

「プリエからターンアウトしたままもどってこれない」

というようにバレエがおもうようにできていない状態ばかりなんですよ。

これってバレエの先生から言えば「バレエができていない」ということ。

 

もしこの生徒さんがフィギュアに競技チェンジしたとしたら・・・・

足だけでジャンプするだろうし、着氷時にも膝が入ってしまうだろうしということが想像できます。

 

フィギュアでは、ダブルアクセルが跳べない、レイバックで腰が痛い、トゥをつくと甲がいたいという感じで来院されますが、

これも、結局は股関節が使えていない、太ももの外を使いすぎている、足指が使えていないというようなこと。

これでバレエをやってもバレエのテクニックはできないんですよ。

 

ここを言ったのが「フィギュアでできないものはバレエでもできない」

 

の本当のところ。

どちらにとっても共通して必要なのは「思うように自分のからだを動かせる能力」なんです。

 

子どもの動きは研究では、84種類に基本の動きが分類されています。

その中には普段の生活で勝手に身につくものもあれば、

意識して行わないと身につかないものもあります。

 

この84種類のうち9つが基本の動きと言われていて

この基本の動きができると運動が得意となるとされています。

 

フィギュアで来院する選手も、バレエ教室から紹介されてくるダンサーも

結局のところはこの9つの動作が何かしらできていない場合がほとんどなのです。

これを獲得したうえで、バレエはバレエに必要な強さやテクニックを、

フィギュアはフィギュアに必要な強さとテクニックを身に付けてはじめて形になる。

うちでコンディショニングをしているバレエダンサーさんに話を聞いたら

「小さいころ体操教室に行っていた」

やっぱり・・・・という感じですね。9つの動きをクリアしていたからこそバレエの一線で活躍してるんでしょうね。

結局は、バレエ、フィギュアどちらをやった時にその気づきができるか?なのです。

フィギュアスケーターにはどこか「バレエ万能説」があるようですが、

いま一度考えてみてくださいね。

 

ちなみにトップ写真の新体操。

この写真の中に身に付けてほしい運動が入っていたりしますよ。