宮原知子さん 村上大介さん 白岩優奈さん 樋口新葉さん・・・・
フィギュアスケーターで疲労骨折を公表した選手は結構います。
では、疲労骨折の原因は「フィギュアスケート」なのか？
この答えは
【NO!】
です。葵ではたくさんのスポーツ選手を診ています。
どの種目であっても疲労骨折はおきています。つまり、フィギュアスケートをやっているから疲労骨折を起こすのではなく、共通項があるからどの競技であっても疲労骨折が起きるのです。
多くの場合、「利用可能エネルギーの不足」が認められます。
これは女子アスリートの3主徴でもあげられていますが、
男子であっても同じです。
細かい説明はネットで調べてもらえればいいのですが、簡単に言うと一日の利用可能エネルギーが
足りなくなっている状態です。
身体の新陳代謝というのは、70％がリサイクルで30％が排出になっています。
そのため、30％を補っていくという考えで大人の場合はいけるのですが、
子どもたちは身体が大きくなっていく分、タンパク質もエネルギーも全部使って体を作り上げていかなくてはならないから大人よりエネルギー量が必要なのは当然なのです。
0歳から1歳の成長をみてもどれだけ大きくなることか・・・・・この時期大人の3倍のエネルギーを使っているというお話もあります。
データをみるときに気を付けないといけないのが、データの中にはいろいろな人がいるということ。
つまり成長著しい子も、成長が遅い子も、いろいろ入っているんです。
だからこそ個人個人の状態を把握することも大事。
昔からやっている方法としては、学校での身体測定に伴う「成長曲線」ですね。
以前は、つけているだけで活用がされていなかったのがここしばらくではいろいろな活用がされています。
例えば、子どものストレス状態をみることもできますし、
身長が伸びるピークに入ってきているのかも知れます。
最近はこれに除脂肪体重を加えて、成長にともなってしっかりと筋肉がついているのかもチェックできます。
食べていない、動いていないという状態をふせぎ、健やかなる成長を促すことで、スポーツにおいてもけがが予防できるのです。
不必要なけがを防ぐには、トレーニングだったり、道具だったりというのもあるでしょうが、
根本として、健やかなる成長がないとだめなんです。
残念ながら、フィギュアスケートの世界は横のつながりがとっても薄いです。
競技に関わる人が全体で子どもたちを育て上げていこうという環境がなく、クラブチームごとやコーチごと、選手個人ごとに任されている状況があります。
私自身も過去に何名か別でフィギュアスケーターに関わっている人とコンタクトをとったことがありますが、「こちらはこちらでやっているので・・・」というスタンスの方もいました。
当時はそれって選手のために本当になるのかなぁ？って思いましたが、今もあまり変わってないと思います。
疲労骨折がフィギュアスケートによるものではない！
この認識だけでも共有できたらなぁと願いをこめてこの記事を書き上げました。
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