選手をみるバレエの先生に知っててほしいこと


先日ツイッターで面白い現象をみました。

研修医の先生が希望ではない科でやる実習での対応といったものです。

いろいろ教えてもらっても自分はこの科には興味はない。

でも、教えてくださる先生に対して「興味がないので・・・」というのもね・・・

と言った感じで、そこからでたなかなかの回答が

「自分は他の科に興味があってそちらに就くことになると思いますが、他の科の人にも知っておいてほしいことはありますか?」

というもの。

その後、ドクターたちが「○○科です。××科のこのような症状はよく間違われますので気を付けて。」

といったツイートがどんどん出てきました。

 

さて、どうしてこんな話をしたかというと、

葵接骨院では多くのフィギュアスケーターを診ています。

と、同時に、フィギュアスケーターをみているバレエの先生とのご縁も多いです。

フィギュアスケートの世界ではあたり前のことが、バレエの世界では当たり前でないこと。

バレエの世界では当たり前ではあるけど、フィギュア選手には理解してもらえないこと。

などがあるのを目の当たりにしているからです。

まず、フィギュアスケートの指導者がバレエの子をみることはまずありませんが、

バレエの指導者がフィギュアや新体操をみることはよくあります。

なので、バレエの先生に知っておいてほしいことをちょっと書いてみようと思います。

 

スポーツの世界と芸術の世界での違いがそこにはあります。

 

その主たるものは「ドーピング」です。

強化選手となって、ドーピング検査がある大会にでるようなことがあれば、

ドーピングを念頭に入れておかないわけにはいけません。

禁止薬物を使っていれば一発でアウトです。

先日、実業団のマラソン選手のドーピングで資格停止処分がでました。

婦人科の治療目的で使われた薬の中に禁止薬物があり、それを申請し忘れたことによるものです。

 

実際、うちにもドーピング検査の対象になっている選手がいます。

そしてそういった選手がバレエの先生のところにも行っている可能性があります。

バレエの先生にとってはあまりなじみがないでしょうから、その子が体調を崩していたり、

なんらかの症状が出ている場合に親切心ですすめたものに禁止薬物が入っているケースがあります。

たとえば良かれとおもって勧めたのど飴

南天入りののど飴

この中にも禁止薬物の「ヒゲナミン」が入っています。

ゴシュユ(呉茱萸)、ブシ(附子)、 サイシン(細辛)、チョウジ(丁子)、 ナンテン(南天)という生薬に含まれていますのでこれらもすべてダメ。

変わりに・・・と思って渡した

浅田飴

これには、麻黄の成分が入っていてこれもまたアウト。

意外に身近なものでもアウトなんです。

 

また、禁止薬物ではありませんが、同じようにのどの痛みなどで使われる「プロポリス」

プロポリスは、「天然の抗生物質」と言われるために使われることもあるのですが、

のどの粘膜だけに効けばいいのですが、そうはいかない。

おなかの調子の悪いときにプロポリスを使えば免疫力にも影響します。

つまり、おなかの状態次第によっては使用を控えた方がいいこともあります。

プロポリスは万能ではないのです。

 

うちでは、プロテインを取り扱っていますが、それも「ドーピングにひっかからない」ものを選んで販売しています。

バレエの世界では、ドーピングをしてまで芸術性を高めるということはないのであまりなじみはないのですが、

スポーツの世界には、ドーピングをしてまでパフォーマンスを高めたいという欲求はこれまでもあります。

でも、意識下、無意識下であっても使用すれば一発でアウトです。

また、ほう助とみられて出場禁止になった選手もいます。

それくらいシビアです。

 

スポーツの世界の生徒さんをみるとき、レベルによってはそこを注意しないといけないこともあります。

・・・・・ということをご理解しておいてもらえればと思います。

また、日本人は「うっかりドーピング」が多いこともあり、インハイや国体などでもドーピング検査が行われるようになりました。

つまり世界レベルでなくてもドーピング対象の選手はいるということです。

 

そうそう、逆もまたしかりですから、バレエの先生が知っておいてほしいことなどもあったら教えてくださいね。