先日、村上大介さんが引退を発表されました。
その後の生活の様子をyoutubeにているので、知っている方もすでにいると思いますが、
彼はその動画の中で「摂食障害」に陥ったことを告白しています。
葵でも男子スケーターの食事指導をしてきましたが、
どの子も食が細く、「量を食べることがつらい」という印象があります。
成長期の男子選手の場合は、相当なカロリー数が必要なので、
必然的にカロリー不足だと栄養素も不足してしまうので、疲労骨折につながったり、肉離れの治りが悪くなったりします。
結果としてパフォーマンスがアップしません。
女子の場合は、太ることを気にしての食事制限が引き金になってしまったり、
指導者の「痩せれば跳べる」などの一言がきっかけで無理なダイエットに走ることがあります。
うちでは幸い、スケーターの摂食障害に触れることはいまのところありませんが、
他の審美系競技ではあります。
葵での取り組みとしては、基本的にフィギュアスケーターを基準に考えています。
これは、バックアップセミナーの基準でもあるのですが、
彼ら、彼女らが強くなって強化選手に選ばれたときにスケート連盟のサポートを受けることになります。
その時に、葵で聞いたことと、そちらでサポートされる内容があまりに違うと選手はどうしていいか迷ってしまいます。
彼らの競技選手としてのゴールがそこなら、その基準につながるようにサポートをいれようと思ってスケ連の育成方法を基準にして講師の方を選んだりしています。
栄養指導は、強化選手へのサポートがまだまだうちがバックアップセミナーをやり始めた頃にはなかったので、
私や管理栄養士さんに今までお願いしながら基本を教えたりしています。
メンタルの部分に関しては、「競技で強くなる」というメンタルトレーニングの部分はスポーツメンタルの上級指導士の吉澤先生にご協力をいただいています。
摂食障害に関しては・・・・・、ここはスポーツメンタルの指導士の先生ではなく、臨床心理士さんです。
日本では選手の摂食障害に関しては、発症している場合、管理栄養士さんが窓口になってケアに携わることはされていません。
なぜなら、摂食障害の裏には、家族や親子の問題など食以外の問題が絡んでいることが多いからです。
スポーツ栄養をする管理栄養士から臨床心理士さんへのアクセスをもっている人はほぼいません。
なので、現実的には選手にとって一番最初の窓口としては、スクールカウンセラーさんがいらっしゃいます。
実際スクールカウンセラーさんに相談にのってもらっているケースは過去にもあります。
学校以外であれば、どういう臨床心理さんがいいのかは検索の仕方もありますし、どのようにかかわるといいよ、というアドバイスをしたりします。
子どもだけでなく、親御さんが精神的につらいようだったらその対処法もお知らせしたりします。
ただし、あくまでうちは「ヘルプラインのコーディネーター」のようなもので、主体として関わることはしません。
【とりあえずどこに相談したらいいかわからないけど、藤田先生にきいてみよう】
にこたえられる環境を作ってきています。それがHPでも書いてある「チームあおい」になります。
フィギュアスケーターの悩みを解決すること。
そこが私のミッションだと思っているからです。
フィギュアスケート選手の摂食障害に関しては、上記のような対応をさせてもらっています。
バレエや新体操など、摂食障害に悩む方がどのような状況かはわからないのですが、
新体操はやはりトップ選手を基準にそれを上手く落とし込んでくれる仕組みが必要だと思われますし、
バレエに関しては、目指す先が海外であることも多く、ライセンス関連が世界共通ではないので、
日本での資格では関わらないことになっている場合もあるし、できないこともある。
少なくとも私のように柔道整復師は、学校の授業で「メンタルへの関わりはしないこと」という教育を受けています。
他の養成校はわかりませんが、私が通っていた専門学校はリハビリ科の先生からはっきり言われたのを覚えています。
なので、私自身は外傷を治すことが専門なので、知識として持っていてもそれ以外は専門家にお願いしています。
また親御さんからの選手のサポートに関しては、葵では親御さん向けのセミナーを過去にも開催していますし、
競技力アップのメンタルでは親子で参加いただいたりしています。
バックアップセミナーも2巡目になってこのあたりのカバーができるように来年以降またプログラムを組む予定です。
葵の強みは、私自身がフィギュアスケーターの悩みを解決できるヘルプラインをあちこちにもっていることと、
そこへのアクセスが容易であること。
選手にとっては、悩みをどこにもっていっていいかがわからないけど、「藤田先生に相談すればなんとかなる」という
砦があること。
フィギュアスケーターの摂食障害に対する葵の取り組みや現状はこんな感じになっています。
何か相談がある場合はお気軽にaoi758@gmail.comまで。
また、海外の取り組みとして英国の報告が一般社団法人摂食障害協会にてアップされています。
海外の例をそのまま日本のシステムに活用することは難しいのが現状です。
一度のぞいてみてくださいね。→ こちらから