浅田真央さんを分析 その3


7158531 - paris - october 17: mao asada (c) of japan with her coach tatiana tarasova (r) of russia react in the kiss & cry at eric bompard trophy october 17, 2009 at palais-omnisports de bercy, paris, france.

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浅田真央さんにまつわる研究についてのお話

縦断的な観点を取り入れるお話

2回にわけてお話してきました。

身体特性から、何に得意傾向があるかでのスケーター特性をみること

縦断的観点から、選手の伸び率を考慮した「早熟型」「晩熟型」をみること

これらがけがのリスクを減らすことにつながると私自身は思っています。

さて、以前にもお話した「早熟」「晩熟」について今回はもう少し掘り下げてみたいと思います。

 

【浅田真央さんは晩熟型】

浅田真央さんが晩熟型であったことは前回お話しました。

晩熟型なのに、低年齢で高度なスケートスキルをもっていたことから「フィギュアスケートに対するポテンシャルは高かった」と説明しました。

アジアの選手は主に「早熟型」が多い傾向にあります。

 

【超早熟型の清宮選手】

この早熟型がわかりやすい選手が早稲田実業の野球の清宮幸太郎選手ですね。

中学1年の時にはすでに身長が183cmと発表されていました。(リンク写真はリトルリーグ世界大会)

彼だけとびぬけて身長が高いことがわかります。中学1年を基準にすると、13歳の平均身長は159.5cmです。

彼は同年代の高身長群からも抜け出していますし、18歳でみても高身長群に収まる身長ですから、超早熟型でさらに成長ピークを上手くとらえていた可能性が高いです。

ちなみに高校生の時には186cmなので、中学生からの身体の成長の伸びしろはほぼないということです。

13歳の時に生物学的な成長はほぼ完成されている彼に成長期の同級生と同じ練習が必要なのか?という問題が起きます。

身体が出来上がっているのであれば、別に実年齢(歴年齢といいます)にかかわらず高校生レベルの練習をしてもいいのではないか・・・というよりやらないとその後の、野球でのスキルの伸びは望めないかもしれないわけです。

彼の場合は超早熟型でわかりやすい例だったかと思います。

 

【スケーターの世界を覗き見】

さて、スケーターの世界をみてみましょう。ここに3人の女子選手がいます。

Aちゃん 13歳女子。135cm

Bちゃん 13歳女子。154cm

Cちゃん 13歳女子。160cm

同じ13歳なのに、生物学的には10歳くらいから18歳くらいの平均身長の人がいることになります。

全員の最終予測身長が160cmだとすると、最初の女子は、あとからグッと伸びてくる晩熟型である可能性があります。真ん中は平均的な成長で、最後はすでに成熟してきている早熟型かもしれません。

この子たちがともに3Aを跳べるとしたら?ある意味恐ろしいですけど、難易度の高いわかりやすい技ですから、例題としてはもってこいです。

全員歴年齢は同じ13歳で、最終予測身長も同じ160cmで、全員3Aが跳べます。違うのは生物学的年齢です。

Aちゃんは身長や他の体力テスト等をみたら10歳でした。

Bちゃんは13歳でした。

Cちゃんは16歳でした。

さて、この子たちの練習量、練習内容は同じであるべきでしょうか?

骨年齢的に10歳の子が3Aを何本も飛び続けるのが妥当でしょうか?

それとも骨年齢16歳の子が3Aを跳び続けることが妥当でしょうか?

決定要素は何も骨年齢だけではありませんが、こういうことを考えて行かないと、13歳の時に瞬発力が高くて3Aも他のトリプルも跳べてしまう子がいれば、それをピックアップしてしまうのが今のタレント発掘です。

間違いなくこの年齢でトップの大会で活躍していけばいくほど練習量も増えて、身体への負荷は増えてしまいます。

その結果、

その子が本来最高のパフォーマンスが出せる年齢になった時

最高のパフォーマンスができない

ということが起きるのです。そこで問題になるのが、ずっと話してきた「疲労骨折」なんですよね。

怪我や障害はこうして起きるものも多い。もしかしたら、最終予測身長にほど遠いままになる可能性もあります。

 

【目指すのはどこなのか】

プロを目標にしつつ、甲子園に力を注いで、高校でピークを迎えてプロ野球選手になれないのか、

イチローのようにプロになることを目指して、高校野球ではピークを目指さないのがいいのか。

実は、トップ選手、プロ選手で活躍している方の中には共通点として

「何らかの理由で長期の戦線離脱をした時期があった」

という方が意外といるのです。

それが結果的に、自身のからだを消耗することなく、最高のパフォーマンスを発揮できる年齢で発揮したわけです。

こういうケースはなかなか表にはでてこないですが、実際にあるのです。

若年層の優位性が、その後のずっと続くかというとそうではないのです。

早熟型で得ている優位性は、のちに、晩熟型の選手に抜かれることはよくあること。

その子の伸びしろをみれるようなタレント発掘が、選手のからだにとってもいいことは間違いないと思います。

いかがでしょうか?