正しい努力を評価して報道してほしい


札幌で先週末行われた全日本ジュニア。

本田真凜選手と紀平梨花選手に注目がされていましたが、

西日本大会を生で観させてもらって一押しは坂本選手だろうと予想していたのが的中。

さて、その坂本選手のインタビュー記事がニッカンのネットニュースに載りました。

一部抜粋すると(元記事はこちら

近畿選手権の際には、今春から始めたダイエットについて「いつおデブさんになっちゃうか分からないから夜はごはん抜き。どんぶりだと最悪! 上の具だけ! カレーの時もライス抜きでルーだけ!」と説明。

これどう思いますか?

フィギュアスケートは確かに審美系のスポーツで、見た目の美しさに時には厳しいけど容姿を含んでいる場合もあります。

現場では、“痩せろ!” と直接言われてきた選手が実際にいることもインタビューで私自身は聞いていますし、

毎回、練習の前に体重測定をしているところもありました。

見た目の印象で“痩せている”というのも、美しさの基準も国によってその基準はさまざまです。

実際、ふくよかなことで基礎点が引かれるわけでもありませんから痩せていることが基準にはなっていません。

バレエの世界ではすっかり有名になった“ローザンヌ”も最近では痩せすぎのダンサーは書類の段階で落とされることが多く、細いだけでなく、強さが求められています。

BMI的にみてもバレエダンサーのアベレージは19くらいになっています。

私はこういう現場の状況や、採点方法や、芸術の世界の流れからみても、この報道の仕方には問題があると思っています。

坂本選手は、フィギュアスケート以外にも水泳を続けていらっしゃいました。

一般的に水泳の選手というのは、みてもわかるように少しぽっちゃりした感じの選手が多いと思いませんか?

水の種目ですから、浮力というものが必要になります。

筋肉は脂肪より重たいわけですから、バリバリのボディービルダーなどは比重的にも浮かないので、

水泳選手は気持ち脂肪をつけるようにコントロールしています。

泳ぐ時間が長くて、選手向きの方はこの脂肪の量や筋肉量が水泳に適しているという側面もあります。

水泳の選手が陸に上がって、何か別の種目に種目変更しようとしたとき、その競技に必要な筋肉をつけると、

見た目的には脂肪と筋肉で全体的に体が大きくなっているような印象になるでしょう。

これを“ぽっちゃり”と呼ばれてしまうと・・・・

坂本選手が水泳をどの程度やっているかはわかりませんし、この話が彼女にもあてはまるかはわかりませんが、

大事なのは、体組成であって、筋肉量が十分にあるかが問題なのです。

見た目を気にしすぎて、体重を落とそうとすると、脂肪だけを落とすというのは至難の業です。

増やすときも一度両方を増やしてから絞るということをします。

 

彼女が体重を気にしていたことは事実でしょうし、なんとかしないといけないというのは、彼女なりにベストパフォーマンスをしたいという想いからだったことでしょう。

でも、この努力の方向性は間違っています。

おそらく糖質を気にしているのでしょうが、糖質をオフすれば瞬発力を発揮することもできなくなります。

それは彼女が望んでいるベストパフォーマンスにつながるのでしょうか?

ましてや彼女は以前疲労骨折をしていますから、どう考えても練習量や食事内容などに問題があるはずです。

疲労骨折からの復帰や、間違ったダイエットの努力を紙面で紹介して美談ぽくするのではなく、

彼女がしていた正しい努力の部分を見つけて評価してほしいと思います。

ネット記事は最近では選手もよく目にしています。

これを見て、聞いて間違った努力を加速させないでほしいと切に願うところです。

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あおいラボでは、体組成の測定もしています。

現状を知ることから始めないと間違った努力をしたり目標に遠回りになったりします。

ぜひご相談ください。

あおいラボ(赤)