中部ブロック大会 雑感


先週末、中部ブロックが開催されました。

私自身も試合会場に足を運んでどれくらいだろうと思っていたのですが、

選手を診だしてからは10年以上、試合は8年以上たっていました。

この間に、いろいろなことがありました。

一つはルールの改正。

採点法はもちろん、治療家として印象的だったのが

3秒のスパイラル・シークエンスが必須からなくなったこと。

音楽に関係なく3秒のポジションキープというのは芸術性としても疑問に思っていた方はいるかもしれませんが、

それ以上に、腰への負担が大きいという話がありました。

本当の話か、噂かはわかりませんが、選手のからだの負担を減らすため

という要素もあってルールチェンジがされたという話まで当時はでてました。

・・・・とはいうものの、羽生選手や宇野選手の4回転の報告を聞くたびに

そして、紀平選手の3Aのニュースを聞いていると、女子も男子もとてもとても

身体を酷使する度合が高くなっているなぁと感じずにはいられません。

中部大会でも、ジャンプ構成もどんどんレベルがあがっていますし、

ジャンプまでの入りも、そして終わってからも工夫がされてきています。

その中でも、特別めだったジャンプ構成でなくても、着実に一つ一つの要素で加点をとっている選手もいます。

結局は、フィギュアスケートは

“滑ってなんぼ”

のスポーツだということを思い出させるものです。

今回のブロックでは障害予防のためのアンケートが選手にお願いされていますが、

私自身が選手をみていると、やはりどうやったらジャンプがとべるのかとか、

どうやったらスピンが早くなるのか、

などの質問は相変わらず多いのですが、どうやったらもっと “スケーティングが上手くなるのか” へのこだわりは少ない。

世の中では“体幹トレーニング”が大流行りですが、

実際、足元をみたときに

あっ、言葉の比喩でなく、本当の足です(笑)

足を診たときに、骨盤や上半身に力が伝わらない選手がたくさんいるのです。

 

昨シーズン、羽生選手が負傷したリスフラン関節の負傷だって

うちでもよく見かける症状です。

休めばよくなるものではなく、休んだだけでは解決はできないもの。

足のアーチ力をたかめるために足部の筋トレをいれたりすることもあるが、

残念ながら、筋力で足部のアーチが変わるというデータは全く持ってない。

どこをさがしても、いくら足部の筋肉を鍛えてもアーチを持ち上げるだけの力はないのです。

慰め程度にいうなら、回内や回外という運動を誘導する程度。

 

足元を見直すだけでも、氷を押す力にもなるし、スケーティングの力がちゃんと上に伝わっていくものです。

そして、それはアップ時も同じです。

今回、私が注目していたのは、オンアイス、オフアイスでの選手の足元。

現場にいくからには、大会でしかみられないことからこちらも何か得て帰ってこないとです。

 

私のお仕事は選手の治療、そして競技に対応した予防ですから、

選手の技術が上がるとき、やはりこちらも得て行かないといけないものがあります。

ここ数年はこの変化の低年齢化が気になるところ。

でも、フィギュアスケートが好きな選手をやっぱり支えていきたいなぁと思うので今年も会場に足を運ぶのです。

 

さて、選手の足元のチェックはめちゃめちゃ細かくやっています。

それは、身体全体を治したあとさらに追加としてやっているものですので、まずはラボにて体のチェックをぜひしてみてください。

あおいラボ(赤)

 

それにしても、フィギュアスケートの地方大会まで人気になっていて、昨日も最後は立ち見状態。

人気とともに競技人口が増えるシステムになればいいのになぁと思う。

ちなみに沖縄のバスケは高校生の大会でも入場料をとったりすることがある。

それは、選手が全国大会に行くときの資金になるそうです。

そういうのがあればいいのにね。