「いつ頃治りますか?」
これは怪我をした選手みんなが知りたい情報。一瞬で治る魔法や神の手があったらみんなすがりたいものですよね。
でも、残念ながら、一度壊したものは治るのには時間が必要です。
今日は、一番簡単で一番再生能力が高いとされる「上皮細胞」というのをとりあげます。
簡単に言うと、上皮細胞ってのは、簡単に言うと「皮膚」がこれにあたります。
だから、切り傷、擦り傷、靴擦れなんかはみんなここに含まれていきます。
上皮細胞での怪我の治っていく経過
炎症期 3日 この炎症反応は実はとっても重要。
炎症がおこることで「治すぞスイッチ!」は入るんです。ある組織が生成されるまでには受傷後5日以降とされています。
たとえばオペをやって縫った場合などは5~8日で縫った糸にそって組織が増殖していきます。
増殖期 筋や骨、皮膚、などはコラーゲンからできていますが、これが2-3週かけて急増していきます。これは7週ごろに一定量に達します。
成熟期 受傷後3週~長いと数年に及ぶ。
ちょっと難しい話でしたが、傷を負った場合、その皮膚の伸びは正常な皮膚の15%ほどまでしか3週間で回復しません。
最終的には80%までは回復するのですが、傷を負う前と全く同じというわけにはいかないのです。
つまり、外見上は問題なくても100%の機能回復はないということです。
これは傷の大きさによっては、やはりまわりに影響をしてくるということですが、
逆に小さければ、周りが正常だったら取るに足りない傷になるということでもあります。
ほとんどの怪我は上記のような治癒過程を踏んでいきます。
大きく捉えると、
ひとつの組織が入れ替わるのに2-3週はかかるということです。
だから、治療の現場ではよく、3日、3週、3ヶ月をひとつの治っていくサイクルとして捉えることが多いのです。
これが軟骨の場合は、8週目にして軟骨に近い組織が形成されてきて、16週でさらにかけた部分を補う組織で埋められていくので、上皮細胞より時間がかかってしまうということです。
さらに靭帯だとすると、2週間後にコラーゲンが形成されて肉芽が確認されはじめ、2ヶ月後にはほぼ正常に近づく。外見上は2ヶ月でほぼ正常、ただし、他の条件等を考えるとおおまかには3ヶ月は必要になってきます。
よく診療中にもお話はしますが、
傷をおって痛みはすぐ消えてもかさぶたがとれるまでに時間はかかるでしょ?
もしそのかさぶたを途中でとったらどうなる??
身体の中も同じです。痛みが消えてから組織がちゃんと治るまでには時間はかかるということです。
では、どうすればいいのか?となると・・・・
予防に勝るものはないということです。そして、怪我をしたら「潔さ」も必要です。
どこにも一瞬で治せる神はいません。
一瞬、痛みをごまかすことや現象を変えることしかできないのです。
健康のありがたみは、怪我をしてから、病気をしてから知るのではなく、今、動けることを感謝してくださいね。
意外に痛みというのはでるまでに時間がかかるものもあります。今の自分の身体がどうなっているかを知ることがやはり重要です。
少しでも気になることがあるかたはぜひラボを受診してみてください!
トレーニングなどのメニュー分けをしてはいますが、もし迷った場合、まずは【あおいラボでの診療】がおすすめです。選手の悩みや目標をお聞きし、身体をみせてもらって、どこが治療がいる場所であるのか、またはどうトレーニングをすすめたらいいかの指針を出していくことができます。