最近では、「フィギュアスケート 治療院」 「フィギュアスケート 陸トレ」 や 「フィギュアスケート 体幹トレーニング」などで検索をかけても以前よりたくさんのサイトがひっかかってくるようになりました。
それだけたくさんの治療家さんやトレーナーさんが、フィギュアスケーターに関わるようになったのだと思う。
それはそれでとってもいいこと。
今日のお話は、いい治療院やトレーナーの見つけ方にもつながるし、
治療家やトレーナーの人はフィギュアの特性を知ってもらういい機会になると思うのです。
他院から転院してくる場合や、いろいろな施設から別の何かを求めて葵接骨院を訪ねてこられて思うところがある。
これは、「フィギュアスケートの特性を知らないなぁ」というところ。
たぶんここが不満ポイントになって転院されてくる。
身体を治したり、トレーニングをするという部分は必ず共通項があるのだが、
たとえば、単純なところで言うと、左膝の痛み。
スケーティングで痛いのか、ジャンプで痛いのか、スピンで痛いのかでも違う。
それは、たとえばバレエならポイントで痛いのか、ポワントからトゥでたつと痛いのかといった違いとも共通すると思う。
「左膝がジャンプするときに痛い」
というところまでは問診でたどりついても、そのあと
「ルッツで痛いの?」
「フリップで痛いの?」
「トゥループで痛いの?」さらには、「コンビネーション時のトゥループ」なのかでも違ってくる。
大きな治療の流れでこの細かいのを拾えるかどうかが結局は専門性があるかないか?の部分でもある。
痛みがとれて「はい!終わり」ではない。
ちゃんと基準があってそれに対して生理性が保たれているかの客観的なチェックがないと絶対だめ。
体からすべてを読み取れて、全部神の手で治せればそれはそれで素晴らしいが、私自身にその力はない。
だから、問診がすごい重要。
これは、今度はトレーニングにもかかわってくる。
別に世の中のトレーナーを批判するつもりなどない。
むしろ知ってもらえればなおいいから。
おなじみ浅田真央ちゃんのビールマンスピンですね。
ちなみに私のコラムやブログで使っている写真はこの写真を含めてちゃんと有料サイトから買っているものなので持ち出さないようにお願いします。
この衣装に見覚えがないのですが・・・・・
でも、このビールマンスピンをしっかりみてもらって・・・・
次に上げる写真は新体操から。
もちろん注目すべきは膝だったり股関節であることもたしかだと思います。
では、フィギュアの選手に陸で裸足でビールマンやって!と頼んだ場合・・・・・非常に困難なんですよ。
でも新体操の選手は写真のようなポーズは陸でもすぐとれます。
なぜだかわかりますか?
とっても珍しい写真も見つけたのでついでに。
たぶんこのあと、スピンのヘアーカッターに持っていくのか、ビールマンに持っていくのだと思います。
・・・・・・・フィギュアをやっている人にはとても普通のことでこの写真もそんなに特別感はないはず。
何がそんなに特別なのか?
上の二つの写真、真央ちゃんのビールマンと新体操の後ろへの足上げ・・すいません技の名前がわからない(^_^;)は、似ているようで全然違うのです。
何が?って「その行程が」です。
解剖学的に説明すると、ビールマンは、腕を外旋して膝屈曲した状態のブレードをインサイドから握ります。
その状態から横→後ろ→上と持ち上げていくのです。
途中、肩の外旋が内旋に戻っていくのですが、大人にはこれができません。
「担いで抜いて」などと表現される場合もありますが、この意味がわかってないとだめなんです。
つまり、フィギュアのビールマンポジションは下肢を上肢の力を使って持ち上げて完成するものですが、
新体操の足上げは、身体の背側の筋を使って振り上げてキャッチします。
さて、これを踏まえた上で、「ビールマンスピン」で腰が痛くなるとなると・・・・処置はどうなるのか?
ビールマンスピンをやるために必要な柔軟性って一体何で、必要な筋力ってなんなのか?
しっかり考えないといけないのです。
・・・・・・・・・・・とは言っても、ビールマンスピンなんて、ショートだろうとフリーだろうとやってるのは100回転もするわけではないので対した時間ではありません。
そんなこんなで、新体操とフィギュアの違いというお題でお話してみました。
参考にしてみてください。
さて、そんなことを踏まえて、土曜日1時~開催していますOlgaのフィギュアスケートのための柔軟クラス。
今週はお休みです。
そして、珍しいのですが、振替で26日(火)になります。
ちなみに、このクラスで男子でもビールマンできるようになりましたから。
ぜひ、参加してみてください。もちろん、私やスタッフがヘルプに入ってフィギュア選手特性の身体の使い方をちょこっと直してみたり、Olgaは新体操選手やダンサーに対しても必要なストレッチを提供していますので、クラスの「冠」には「フィギュアスケートのため」とついていますが、指導者や、芸術系、採点系スポーツの方も歓迎です(*゚▽゚*)