演技力の向上、スケーティングの向上のためには
【上手な人の滑りを見る】
ということが大事でそれが結果に結びついているということですね。
これはおそらくどの種目にも共通していることです。
上手な人を見るということは自分の【見る目】を養うことにつながります。
その名のとおり【目】を慣らすことになるのだが、最初は非常に難しい。
全く自分がやったことのない種目に携わるときや、観戦するときに“いったいどこをみたらいいのか?”と悩んだ経験がある方は多いはず。
経験だけでなくさらには立場が違えば “見ているもの” も全く違う。
たとえば、私がバスケのトレーナーでコートサイドにいた際にみるのは選手のフォーメーションでもなく、ボールでもなく誰か特定の選手の動きでもない。
バスケは別にボールを持っている選手だけが怪我をするわけではないからだ。
一つ目は“空気”を見ていた。それは、均衡した試合になればなるほど、激しさが増す。
その時に怪我をすることがやはり多いから。
二つ目は“残り時間”を見ていた。
残り時間によってはやはり選手のあたりが強くなることもちょっとした無理なプレーにもつながるから。
・・・・・ここまでみてきてわかるように、私が見ているのが“選手そのもの”ではないこともあるし、
いくつもみていることもあるのだ。
これは、私がコートサイドにいる医療トレーナーだったから。
では、どうやって選手は自分が上手くなる “見る目” をもてるようになるのか。
私自身も勉強したことだが、 “欲張らない” ことに尽きる。
そもそもフィギュアの採点は、競技会においての審判は、
イベントレフェリー1名、技術審判としてテクニカルコントローラー1名、
テクニカルスペシャリスト1-2名、演技審判として最大9名が入るのだ。
そして、評価は技術点、構成点とあってさらにその中にいろんな要素が組み込まれている.
つまりそれほどまでに複雑な要素が採点には絡んでいるということ。
これを、コーチや親、選手自身がすべて一気に欲張ってみることなど到底不可能なのだ。
ひとつの演技にみるところが10個以上あっても、ひとりでは見れない。
これは自分が他人の演技を見るときでも一緒。
それを一度に見ようとすればするほどわからなくなる。
だから最初から、ひとつづつポイントを絞っていくのがやはりいい。
ひとつだけに注目してみるようになれば、ほかは気にしなくていいし、
それがひとつずつ積み上げられるうちに全体もだんだん見えてくるようになる。
木を見て森を見ずではないが、その森がどんな木で構成されているかをみないと全体もまたわからない。
そのうち、直感で“ここが素晴らしい”ということが見えてくるようになる。
ただし、ぼーっと何か1つを見ていてもだめで、1つでもそこからヒントをとってくるくらいの気持ちでみること。
最初のうちは目が慣れないなら、ビデオをとって比較確認するのもいいと思う。
上手い人の何をみるのか、それは、欲張らないでひとつずつみること。
ぜひ試してみてくださいね。
自分のからだのどこが悪いかを診てもらうことや
動きでどこが問題かを探し出すのをあおいラボでお手伝いしています。