(写真はLuvtelliが提供している小学生の理想的な1日の食事)
2015年に書いた記事のリライトです。
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先日行った学会で面白いことを聞きました。
審美系の選手に食事調査をするとほとんどが「過少申告をする」ということ。
それだけ「私は食べていない」アピールをするということです。
アピールだけならいいのですが、私が食事指導をしている限りをみても
摂取量不足はあきらかです。
フィギュアスケートでは鈴木明子さんが【摂食障害】だったことを告白されていますが、
2007年に実は、アメリカスポーツ学会では【摂食障害】については
【摂食障害の有無にかかわらないlow energy availability(利用可能エネルギー不足)】へと変更されました。
これは、いわゆる摂食障害だけが、病的で危険とか思われるのではなく、その前段階である
食べないことへの警鐘をならすためでもあります。
energy availabilityとは、食事からとる摂取エネルギーから運動により消費されるエネルギーを引いた残りのエネルギー量をさします。
つまり【Low】とつけば、運動で使うエネルギーにたいして、食事で十分なエネルギーを得られていない状態をさすことになります。
ずばりいえば「食事量が足りない」ということです。
とくに見た目の美しさをも加味するようなスポーツではこの傾向が強くなってしまいます。
女子選手がこの状態を長く続けてしまうと、卵巣を刺激する脳からのホルモン分泌が低下したり、
骨代謝などを含む体の諸機能に影響を及ぼすと考えられます。
ここも簡単に言うと、生理周期がおかしくなったり、容易に骨折しやすくなるということ。
食事調査をしてみると、共通点として
【活動に必要な十分な食事量だけでなく、普段から食事量が少ない】
という印象があります。
オフの日と練習日では食事量をどれくらい変えるか?というと、身体活動レベルで考えると20%ほどちがってきます。
食べ過ぎを気にするのは、基本的に【オフ】であって、
練習しているのに、食事を減らすことは
low energy availability(利用可能エネルギー不足)
であって、
これは、今まで使われていた
【摂食障害】
につながっていくため注意が必要なのです。
ちなみに、摂食障害は自分のちからだけでは完治は難しくなります。
まずは、中学生以上であれば1週間、食べているものをすべて記録してみてください。
できれば、写真にとってみるのがいいですが、書き出すだけでも傾向がわかりますよ。
それをしっかりと親子でみること。
ご両親だって食事の知識は乏しいはずです。改善は一緒にすることが大事。
葵接骨院ではラボにて、選手の食事のアドバイスも行っています。
フィギュアスケーター向け治療メニューやトレーニングメニューも用意してあります。
食事に関してもお気軽にご相談いただければと思います。