前回の「肉離れはこうして起こるんです」の続きです。
さて、補足ですが、大腿四頭筋でも腹筋でも肉離れって起こるじゃないですか!と思った人もいると思います。そうなると前回の原理は働かんと違う?(急に関西弁)となるでしょうが、
「肉離れ」と「筋挫傷(損傷)」の定義のお話になってくると思います。ここは、割愛。
前回からのお話としては脚の裏側の筋肉の肉離れを想像して理解を進めてください。
では、どのように肉離れは診断されているのか・・・・・・
手元にある柔道整復学「実技編」を久しぶりに開いてみました。。。。って何年前の教科書だよ!!というツッコミはさておきウェブでみてもたいしたもの載ってないんですよ。(笑)
そもそも受傷機転のところでさえ、超あいまいですから診断も処置もそこに続くものは・・・・・・なんです。
ということで、一応どういうふうに分けられているかの「目安」
たとえば、捻挫もそうなのですが、損傷度合いを「Ⅰ度」「Ⅱ度」「Ⅲ度」としています。簡単に言うと、軽度、中等度、重度ということですね。
調べてみると「肉離れ」ってもともとは「軽度」くらいの筋損傷をさして使っていたみたいですが、がっつり重度も「肉離れ」とよんでいるのが現状ですので曖昧さはましているみたいですね。
で、軽度、中度、重度も実際は、「そこそこ大丈夫」「あれ?ちょっとやばい?」「やばいっしょ!」くらいの勢いなのかもしれませんが、教科書的には
「軽度」・・・・腫脹は軽度で受傷部の直上で約1~2センチ程度の範囲に圧痛をもった広がりがある。手当をせずに放置しておくと、筋緊張、腫脹、圧痛が急激に増大する。
「中等度」・・・・腫脹、筋緊張及び圧痛が軽度より激しい
「重度」・・・・・触診により筋肉表面に陥凹部を触れる。これは筋肉が約5~8センチ程度の幅で実際に断裂していることを意味する。また受傷後24~48時間内に著明な皮下出血斑をみる。
と、中等度が軽度以上、重度未満で結局は、私が上述した分類と臨床やってる身からするとなんらかわりない気がします。
そもそも、
「これは軽度だからこういう処置!」とか「これは中度だからこうしておかなきゃ!」という臨床はしていないということです。便宜上、患者さんに説明するときはだいたいの目安をいいますが、
ひとりひとり患者さんが違うように、ひとりひとりの症状は全然違うのです。
だから、自分の中でしっかりとした基準をもって、それと照らし合わせて処置をしているのが現場です。それが結果的に「中度だった」とかという基準の枠の中にはまるだけです。
では、ネットで調べてみるとこのあとの処置はどうなっているのか?
「損傷の程度はどうであれRICEをしましょう!」
と書いてありました。。。。。。だめでしょ。RICEで問題はうちがよくやる「アイシング」。
よくやるのにだめ?!そうなんです。だって、もしですよ、もし!!筋膜がやぶれていて筋ヘルニアという状態になっていたら。
あっ、どういうことかというと、お肉の塊をぴっちりとサランラップで包んでいて、その一部だけ穴があいていたらちょっと中身が飛び出ちゃいますでしょ?その状態で瞬間冷凍してみたらどうなりますか?はい。それが筋ヘルニアです。
葵接骨院は冷却を専門にしていますが、なんでもかんでも「冷やせ」ではありません。まぁ、これが希なケースだから、冷却してもとんでもないことになっていないことが世の中では聞かれていないだけです。
損傷度合いに関係なくRICEでも確かに治ります。でも、やっぱり治すならできるだけ【くっついただけ】という状態でなく、その後の違和感とかも減らしておきたいですよね。だから、肉離れに関しては冷却はあるポイントで使うのが実は予後がいい。
では、お勧めはというと、やっぱり【圧迫】なんです。そしてできるなら自己判断せずに、診断をうけることですね。
さて、診断を受けるとなるとどこを受診すればいいの?
ということになりますよね。
だんだんシリーズ化していますが、これについてもまた書いていきたいと思います。