お腹を緊張させても腹圧は上がらない


以前のブログでも検索数が多かったコラムです。これは非常に重要なテーマですので、再度こちらでも記載していきます。

腰痛と【腹圧】の関係です。

以前、このことについては、FBでも蒲田先生がおっしゃられていましたが、【腹圧】には非常に誤解があり、医療従事者やトレーナーでさえ正確に把握されていない状況です。

蒲田先生の学位論文は【腹腔】ですから、先生の文章を引用するのが一番だと思いますので・・・・以下引用(笑)

腹圧は【腹腔内圧】の略です。腹腔内圧というのは静水圧であり、理論的には腹腔内のどこでも均一です。実際には、腸内のガスや消化中の食物など液体以外も含まれているため、厳密には均一にはなりません。また、腸内、胃内とこれらの消化管の外部では均一とはなりません。しかし腹腔内は原理的には一定の圧が加わります。

腹腔内圧を上昇させるためには、腹腔壁をすべて緊張させる必要があります。その主役は横隔膜、腹横筋、骨盤底筋です。どこかに弛みがあると圧の上昇は妨げられます。また吸気時には必ず圧は下がります。

これに対し、多くの人は腹壁の筋の緊張が高い状態を「腹圧上昇」と誤って理解しています。実際のところ、腹筋運動を含め、腹筋の緊張上昇と腹腔内圧とは相関しません。腹横筋のトレーニングで使われるdraw inでも呼吸をしている場合は腹圧上昇は生じません。ただし、息を止めて腹壁を凹ませるようにする「いきみ」または「valsalva maneuvre」では腹圧は上昇します。

意外かもしれませんが、背筋運動と腹腔内圧は相関します。それもすべての背筋運動ではなく、脊柱に外部から屈曲モーメントをくわえるような背筋トレーニングと腹腔内圧は見事に相関します。胸椎レベルに抵抗をくわえるトレーニングマシンを使った背筋トレーニングやリフティング動作などがその代表例。

本題に戻りますが、コアトレーニングを行う場合は、(1)腹圧上昇を伴うコアのrigid stabilizationと、(2)呼吸を伴う(腹圧上昇を伴わない)dynamic stabilization、に分けて考える必要があります。(1)は対人コンタクト、リフティングなど一瞬呼吸を止めて体幹全体を固定する方法です。これには体幹周囲の全てに筋を同時収縮させるようなトレーニングを行います。(2)については、呼吸を継続できるコアの安定化メカニズムを獲得することからはじめなければいけません。具体的には、骨盤の安定性を保つために腹横筋の下部を姿勢筋として持続的に緊張させ、同時に腹横筋上部を呼吸筋として使わなければなりません。つまり(2)を意図した場合は、どの様なトレーニングを選択するにしても、呼吸を継続できなければ意味が無いということになります。

陸上の400m走において、後半顎が上がるのは、腹筋の緊張が保てなくなるためですが、その背景には下部腹横筋を呼吸筋として使ってしまうためと解釈されます。このような現象はランニングだけではなく水泳、自転車など他の運動においても同様に生じます。

 

そもそも、腰痛の原因が【姿勢不良】であると考えた場合、姿勢が何によって作られるかは一度考えなくてはいけないんです。

いつも言うところの【使える身体があって使っていない】のかそもそも【使える身体がない】のかによっても違う。

よく言う【いい】姿勢って、定義はなんであれ、【重力に抗している】姿なんですよね。生まれたての赤ちゃんが、首がしっかりしてきて、うつぶせから少し頭をあげられるようになって、さらに上手に腕を使って身体をあげられるようになって・・・・・ってこの一連のものってすべて重力に抗している姿ですよ?
植物だって、重力に抗するように上に上に伸びていく。人間の歯も下から生えてきますしね。

何が言いたいかというと・・・・・

人間って重力に抗して動いていくことで姿勢は作られていくんです。つまり何度も言うように歩行することによって姿勢は作られていくし、修正がかかっていくのです。

腹筋運動で、姿勢が作られるわけではないですし、歩行量がどんどん減っている今の方が姿勢の悪い方は多いですよね?

ではなんで葵で姿勢に注目してバランストレーニングをやっているかというと・・・・・・このあたり話し出すと長くなるので、割愛。(笑)ヒントは蒲田先生の引用文の最後の3行。。。。。。そんなこともふれながらラボで提供しているベーシックトレーニングへそしてバランストレーニングへ参加していただければと思います。

ベーシックトレーニングとバランストレーニングを提供しているラボの詳細は

あおいラボ(赤)